なぜ、オリオンビールはストロングチューハイの販売を中止したのか?
(Vol. 1034/1096)
オリオンビールは、
缶チューハイ「WATTA STRONG」
の販売を中止しました。
このチューハイは、
いわゆる「ストロング系チューハイ」
と呼ばれる商品です。
ビールや発泡酒より
値段が安いのにアルコール度数は
9%~12%と高いため、
安く酔えると
人気を博しています。
一方で、
依存症の専門医から、
アルコールの過剰摂取により
健康問題へつながる危険性を
指摘する声もあがっています。
オリオンビールの
「WATTA STRONG」は
人気があったようで
かなり売れていたそうです。
では、
なぜ、オリオンビールは
売れ筋の商品の販売を
中止したのでしょうか?
それは、
「経営理念」に
そぐわなかったからです。
オリオンビールは、
ミッション、ビジョン、コアバリュー
を掲げています。
これらが「経営理念」にあたるものです。
MISSION(ミッション)
人を、場を、世界を、
笑顔に。
オリオングループ
VISION(ビジョン)
顧客:笑顔、Win-Win
社員:働きやすさ、働きがい
社会:環境、教育
株主:成長性、持続性、透明性
CORE VALUES(コアバリュー)
a.なにくそやるぞ
b.共存共栄
c.まくとぅそーけーなんくるないさー
d.いちゃりばちょーでー
e.チャンプルー文化
f.報恩感謝
また、オリオンウェイ
というものを定めています。
そのなかで「顧客」について
次のように宣言しています。
ORION WAY(オリオン・ウェイ ~沖縄で、そして世界で~)
顧客
・私たちは、全ての顧客の笑顔のために、以下のことを行なわなければならない。
・私たちは、全ての顧客の声に耳を傾けなければならない。
・私たちは、全ての顧客に対し、謙虚で誠実かつ迅速な対応をしなければならない。
・私たちは、高水準・高品質の商品やサービスを提供し、現状に満足することなく、
全ての活動を向上させなければならない。
・私たちは、ビジネスパートナーに適正な利益を得る機会を提供しなければならない。
オリオンビールは、
これらの価値観から判断して、
STRONG系の缶チューハイは
販売すべきではない、
という結論に至ったわけです。
ミッション、ビジョンなどにある
「顧客の笑顔」の実現のために
相応しくない商品
という判断でしょう。
つまり、これらの「経営理念」
と照らし合わせて
行動を決めたわけです。
目先の「売上」よりも
「経営理念」を優先したと言えます。
オリオンビールの早瀬社長は
次のように語っています。
オリオンらしさとはなんのか、それは4大メーカーに追随することではなく独自の路線を進んでいくこと。こういった考えのもと、いち早く、ストロング系チューハイ販売終了に踏み切ったのです。
まさに、「経営理念」に基づいた
経営判断と言えるでしょうね。
この販売中止で一時的に
売上は減少するかもしれません。
でも、こういう経営理念に
基づいた行動は「共感」を生みます。
そして、長い目で見れば、
そういう信頼できる会社こそが
多くの果実を収穫する
のではないでしょうか?
少なくとも私は、
オリオンビールの行動に
共感を抱きファンとなりましたし、
オリオンビールを
飲みたくなりました。
あなたの価値判断の拠り所
はなんでしょうか?
もし、「経営理念」の策定に
興味があれば、
ぜひご相談ください。
ZOOMでご相談に乗らせて頂きます。
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としてお問い合わせください。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
URL :https://saito-tax.com/