パソコンや車を取得したら、どんな処理をすればいいのか?
横浜 青葉区の税理士齋藤です。
個人で事業をおこなうと、パソコンや車が必要となることもあると思います。
これらの資産を取得した場合、どのように処理すればいいのでしょうか?
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減価償却資産
パソコンや車などを取得した場合、通常、その取得した年で全額経費にはなりません。
資産計上をしたうえで、減価償却という方法により算定した金額がその年の経費となります。
このような資産を減価償却資産といいます。
たとえば、次のようなものが減価償却資産です。
・建物・・・家、ビル、倉庫など
・建物付属設備・・・電気設備や給排水設備など、建物の内装設備
・構築物・・・看板、サインなど
・車両・・・営業車、トラックなど
・機械装置・・・製造業の製造用設備など
・器具備品・・・パソコン、プリンター、机など
なお、資産計上に際しては、10万円がひとつの基準となります。
10万円未満であれば消耗品として資産計上は不要です。
減価償却方法
減価償却方法には、定額法と定率法の2種類があります。
定額法
毎年一定の金額を経費にする償却方法です。
届出しなければ、基本的に定額法で計算します。
定率法
初年度の経費が一番大きく、徐々に経費が減少していく償却方法です。
もし、定率法を選択する場合、選択する年の翌年の3月15日までに税務署に届出書を提出します。
減価償却資産には法定耐用年数が定められており、
償却方法ごとに法定耐用年数に応じた償却率が決まっています。
この率を使用して減価償却費用を計算します。
少額減価償却資産
青色申告の場合、10万円以上30万円未満の減価償却資産については、
年間300万円を限度としてその取得した年で経費とすることができます。
一括償却資産
10万円以上20万円未満の減価償却資産については、
3年間で1/3 づつ経費とすることができます。
ちなみに、この取り扱いは白色申告の場合でも可能です。
(余談ですが、一括償却資産は償却資産税の課税対象資産から除外されます)
比較
18万円のパソコンを7月に取得・事業供用した場合で比較してみましょう。
定額法(耐用年数4年、償却率0.25)
180,000円 x 0.25 x 6/12 = 22,500円
定率法(耐用年数4年、償却率0.500)
180,000円 x 0.5 x 6/12 = 45,000円
少額減価償却資産
180,000円(全額)
一括償却資産
180,000円 x 12/36 = 60,000円
通常、全額をその年の経費とできる少額減価償却価資産が有利です。
ただし、赤字を繰り越すような場合、
経費を先送りする処理の方が有利なケースもあります。
なので状況に応じた検討が必要となります。
ちなみに、どの方法でも、トータルで経費化できる金額は18万円で変わりません。
まとめ
減価償却は、利益計算を適正におこなうための会計の独特な概念です。
なじみにくく、理解が難しいかもしれません。
けれども、そういうものだと慣れてしまえば、
合理的な考え方だと理解できると思います。
まお、事業とプライベートで共用する償却資産は、
家事按分が必要なことも忘れないようにしましょう。