所得税の予定納税とは? 本年分の所得税の前払いです
横浜市青葉区の税理士斎藤です。
6月中旬に税務署から所得税の予定納税の通知書が届きます。予定納税ってなんでしょうか?
Contents
予定納税とは
所得税の予定納税とは、簡単に言えば、本年分の所得税を前払いする制度です。前年分の確定申告での納税額が15万円を超える場合、予定納税が必要となります。
納期
第1期分:7月1日〜7月31日
第2期分:11月1日〜11月30日
予定納税額
前年分の確定申告の納税額 x 1/3 (第1期分、第2期分とも同額)
予定納税と確定申告の関係
予定納税額は本年分の税金の前払いです。当然支払った予定納税額は、本年分の確定申告(翌年3月提出)で精算されます。(赤い囲みの欄に記載します)
簡単な計算例を見てみましょう!
追加で納税があるパターン
本年分の全体の納税額 30万円
予定納税額 20万円(1回あたり10万円)
確定申告の納付額 30万円-20万円=10万円(納付)
還付があるパターン
本年分の全体の納税額 15万円
予定納税額 20万円(1回あたり10万円)
確定申告の還付額 15万円-20万円=▲5万円(還付)
予定納税の注意点
予定納税は、以下の点に注意が必要です。
納税義務がある
所得税の確定申告のように自分で申告したわけではありませんが、予定納税にも納税義務があります。納付が納期限に間に合わないと、延滞税がかかりますのでご注意ください。
また、振替納税を利用している場合、納期限の末日に引き落とされます。納期限の前にはかならず口座残高を確認しておきましょう!
減額申請
本年の所得が前年に比べて大幅に減りそうな場合、予定納税の減額を税務署に申し出ることができます。(救済措置ですね)
ただし、減額申請には提出期限があります。1期分、2期分ともに減額を申請する場合は7月1日から15日まで、2期分のみ減額を申請する場合は11月1日から15日までに減額申請書を提出しなければなりません。申請する場合は期限があることを忘れずに!
むすび
はじめて確定申告をした方は、予定納税の通知が着たら、「何事か!」とびっくりするかもしれませんね。
ちなみに、本文中、「所得税の予定納税」とありますが、正しくは「所得税及び復興所得税の予定納税」です。計算自体は税務署でおこなうため、わかりやすさ重視で簡便的に表記しました。