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損益通算について(大家さん・不動産オーナーの確定申告〜概要その4)

 

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横浜 青葉区の税理士齋藤です。
大家さん・不動産オーナーの確定申告の第4回目です。

所得税では、一部の所得に赤字が生じた場合、
その赤字を他の所得の黒字部分から差し引くことができ、
これを損益通算といいます。

今回は、その損益通算についてのお話です。

https___www_nta_go_jp_tetsuzuki_shinkoku_shotoku_yoshiki01_shinkokusho_pdf_h25_02_pdf

 

損益通算できる損失

損益通算ができる損失は次の所得で生じた損失です。

・不動産所得(土地を取得するための借入金の利子を除く)
・事業所得
・山林所得
・譲渡所得(ゴルフ会員権等の譲渡損失を除く)

 

大家さんの損益通算

大家さんだからといって不動産所得だけしかないとは限りません。
不動産所得以外に所得がある場合をいくつか見ていきましょう。

 

給与所得と不動産所得がある場合

不動産所得の赤字がある場合、その赤字を給与所得から差し引くことができます。
給与所得が減るため、源泉徴収された税金が還付されます。

注意する点が2つあります。

1つは、土地を取得するための借入金の利子がある場合、
その利子分は損益通算の対象から除外されること。

もう1つは、青色申告特別控除の取り扱いです。
不動産所得が赤字の場合、青色申告特別控除額は0(ゼロ)となります。

また、青色申告特別控除前の所得が65万円に満たない場合、
青色申告特別控除額はその青色申告特別控除前の所得が青色申告特別控除額となります。

例えば、青色申告特別控除前の所得が40万円ならば、
青色申告特別控除額は40万円です。(結果、不動産所得は0(ゼロ)になります)

(参考)年末調整をされたサラリーマンで、その年の不動産所得が20万円以下である場合、
確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は必要なので注意を要します。

 

事業所得と不動産所得がある場合

事業所得、不動産所得のどちらかに赤字が生じた場合、
その赤字を黒字の所得から差し引くことができます。

なお、土地を取得するための借入金の利子がある場合、
その利子分は損益通算の対象から除外されます。

また、事業所得と不動産所得がある場合、
青色申告特別控除額はあわせて65万円(または10万円)までです。
この場合、不動産所得→事業所得の順番で控除します。

 

公的年金等(雑所得)と不動産所得がある場合

不動産所得の赤字がある場合、
その赤字を雑所得から差し引くことができます。

なお、土地を取得するための借入金の利子がある場合、
その利子分は損益通算の対象から除外されます。

(参考)公的年金の収入金額が400万円以下で
その年の不動産所得が20万円以下である場合、
確定申告は不要です。
ただし、住民税の申告は必要なので注意を要します。

 

上場株式等の譲渡損と不動産所得がある場合

上場株式等の譲渡所得は分離課税のため、
不動産所得と損益通算はできません。

ただし、上場株式等の譲渡損と申告分離課税を選択した配当所得との損益通算は可能です。

 

FXの損失と不動産所得がある場合

FXの損失は分離課税のため、
不動産所得と損益通算はできません。

ただし、FXの損失と同じ雑所得の先物取引(デリバティブ取引)
で生じた利益との損益通算は可能です。(株式や投資信託は不可)

 

赤字の繰り越し(青色申告の場合)

損益通算をしても不動産所得の赤字を控除しきれない場合、
その控除しきれない赤字の金額は翌年以降3年間繰り越すことができます。

なお、期限内に青色申告をおこない、
その後の年も引き続き青色申告をおこなうことが条件です。

 

むすび

3以上の所得がある場合等いろいろなパターンがありますが、
基本は総合課税と分離課税を区分、
一定のルールに従って損益通算、
という流れになれます。

税金が安くなるケースが多いのでしっかり検討しましょう。

 

 

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