税務調査の対象はどう選定されるか?KSKシステムとは?
横浜市青葉区の税理士 斎藤です。
税務調査は行き当たりばったりにおこなわれるわけではありません。KSKシステムを活用して調査対象を選定し、税務調査に入るかどうかを決めています。
Contents
税務調査に入るかどうかを決める「準備調査」
実際に税務調査に入るかどうかを決める際に下調べをします。これを「準備調査」といいます。
必要に応じて、”机上調査→外観調査→内定調査”、という流れでおこない、実地の調査の有無を決定します。
机上調査
机上調査では、KSKシステム(後述)のデータに基づき、選定対象のチェックをおこないます。
外観調査
外観調査は、机上調査だけではわからないことがある場合におこないます。実際に店舗や工場等に行って、立地や商圏などを確認します。(この時点では通知はされません)
内偵調査
内偵調査は、外観調査から一歩踏み込んで、実際にお客として中に入り、商売の状況を確認します。現金商売や店舗型の商売をしているところに、内偵調査は入ります。
KSKシステムとは
KSKシステムとは、国税庁が運用しているデータシステムです。KSKは、国税総合管理(Kokuzei Sougou Kanri)のそれぞれの頭の文字をとって、そう呼ばれています。
KSKシステムは、納税者ごとにデータが管理されていて、これまで申告した内容、提出した資料、調査履歴など、さまざまなデータが記録・保存されています。
また、KSKシステムは、条件を設定して、異常値や申告内容に問題がありそうな法人を抽出することができます。これにより、調査対象を効率的に選定しています。
こんな法人が対象になりやすい
前述のソート機能で対象法人が抽出されています。具体的にはこんな法人が対象になりやすいと考えられます。(基本的には、追徴税額をとれそうな法人が対象という印象です)
・売り上げが伸びている法人、儲かっている法人
・売上高は伸びているが、課税所得は従来と変わらない法人(利益調整の可能性)
・同業者と比べて、異常な経費がある法人(利益操作の可能性)
・特別損益に大きな金額を計上している法人(特別損失の内容)
・仮受金や前受金が多額である法人(利益調整の可能性あり)
・過去の税務調査で不正があった法人、重加算された法人
・長期間、税務調査が行われていない法人
・タレコミがあった法人
・他社の税務調査の現場で問題がありそうなことがわかった法人
赤字の法人に税務調査はないのか?
確かに赤字の法人は、調査で誤りを指摘しても追徴税額が発生しないことが多いので、税務調査は入りにくいかもしれません。
ただし、通常、税務調査は、法人税だけでなく、消費税(特に還付申告)、源泉所得税、印紙税も同時におこなわれます。これらの税目で追徴税額ということもありますので、税務調査の可能性がなくなるということはないと思います。
むすび
税務調査対象の選定を見てきました。KSKシステムなんていうと、機密事項のような印象を受けますが、国税庁のWEB上でも使われている名称です。
むしろ、「KSKシステムでデータはすべて把握してますよ」と、ある種の抑止効果を狙っている感じもします。
実際、電子申告の推進により電子データ化も加速しています。この状況を踏まえると、適正な決算、適正な税務申告以外、無用な税務調査を呼び込まない方法はないようです。