経営数値にお化粧したって、いいことなんてありません
(Vol. 623/730)
先日、「脱税」の記事
を書きました。
今度は「粉飾決算」です。
ホント繰り返し
こういうニュースがでますね。
東証1部上場の住宅関連会社「すてきナイスグループ」(横浜市鶴見区)が粉飾決算の疑いで強制捜査を受けた事件で、同社がペーパーカンパニーを介して架空の不動産取引を装い、業績を水増ししていたとみられることが、関係者への取材で判明した。こうした架空取引による業績の水増しを複数年にわたって行っていた可能性もあり、横浜地検などは16日、金融商品取引法違反の疑いで関係先を家宅捜索して資料などを押収し、全容解明を進める。
関係者によると、2015年3月期で、グループ側はペーパーカンパニーに数十億円規模の資資金を貸し付け、ペーパーカンパニーはその資金でグループ傘下企業の不動産を購入し、グループの連結決算で利益が出たように装い、本来の損失を隠した疑いがある。グループはこうした虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出したとされる。
問題の有価証券報告書では、第1~第3四半期(14年4~12月)まで赤字だったが、第4四半期(15年1~3月)には大幅な黒字に転換。通期でも黒字となっていた。
(毎日新聞 5/16/2019)
「すてきナイスグループって
なんか聞いたことがあるな」
と思ったら、 社員の方と
お会いしたことがありました。
この会社は、住宅展示場も
展開していて、そこでよく
イベントを開催しています。
縁あって、そのイベントの件で
お話をしたことがありました。
まあ、結局、ファミリー向けの
イベントをするということ
でしたので、単なる
無駄足となりましたが。。。
さて、
今回は有価証券報告書の
虚偽記載の容疑で
捜索を受けています。
「すてきナイスグループ」は
一部上場会社ですから、
投資家のために適宜決算を
開示しなければいけません。
今回問題になっているのは、
経営者の責任を回避するため、
架空の取引の売上を計上して
利益を水増ししていたのではないか?
ということ。
いわゆる、数字にお化粧を
してしまったわけです。
このニュースを受けて、
株価はストップ安。
会社としての信頼を著しく
傷つけることになりました。
この会社、建築建材の業界
では有名な会社で、
某有名建築家の加工木材を
受注していたりします。
くせの強い社名に似合わず(⁉)、
社員の方もわりにソフトで
好感の持てる方でしたし。
いちど粉飾をやってしまうと、
信頼回復には
とてつもない時間と労力が
かかりますが、
今回はどうなるのでしょうか?
中小企業の場合、
融資絡みで金融機関に
提出する決算書を
お化粧することがある
かもしれません。
何度も言っていますが、
「粉飾」にせよ、
「脱税」にせよ、
不自然なことを行うと
決算上には何だか
違和感のある歪みが残ります。
見る人(金融機関や税務署)
が見ればすぐに気づきます。
むしろ、ばれた場合に
信頼を失うので
リスクの方が大きいですね。
日頃からの公正妥当な会計を
心掛けるのが最善です。
割の合わない不正は
考えないに越したことは
ありません。
それにしても、
「名前」って重要ですね。
「すてきナイスグループ」
というくせの強い名前がゆえ、
今回の粉飾のニュースは
ネット上で格好のおもちゃ
となっています。
「すてきナイス」(ポジティブ)
と「粉飾決算」(ネガティブ)の
対比効果(甘いスイカに塩をかける
とさらに甘く感じる、というやつです)
で、通常の粉飾決算のニュース以上に
拡散されています。
いじられ度合いが半端なく、
悪い意味で名前が
周知されてしまいました。
まあ、「名前」よりも
「あり方」がより重要なわけ
ですけどね。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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