「税務調査で何も言われなかったから大丈夫ですよね?」
(Vol.417/500)
税務調査の行方は、担当調査官にもよる。
税務調査で何も言われませんでした
新たに関与する際に、経理処理や取引内容を確認することがあります。すると、たまに「おやっ」と思うことがあります。
詳しく聞いてみると、よく言われるのは、
前の税務調査で何も言われませんでしたよ。だから、大丈夫ですよね?
はたして、税務調査時に何も言われなければ、本当に大丈夫なんでしょうか?
前回は前回、次回は次回
結論としては、次回の税務調査で否認される可能性はあると思います。
もちろん、その取引について税務署などに事前照会して、文書で回答をもらっているのなら、話は別です。でも、そこまでしているケースはあまりないでしょう。
であれば、前回の税務調査で指摘されなかった理由は以下のような理由です。
・他の論点があり、今回の調査ではたまたまスルーされた
・担当官により見解に幅がある(前回は甘めの担当官だった)
・そもそも、その論点を見ていない
また、税法の改正などの影響で、その当時はOKだけど、今はNGみたいなケースもあるかもしれませんね。
拠り所も重要
税務調査で論点になるのは、グレーゾーンにある判断であることが多いと思います。
しっかりとした根拠があり、そのポリシーに基づいて処理している。この場合は、その見解を担当官に説明し、先方の判断を仰げばいいわけです。
けれど、
・知り合いの社長さんから聞いた
・ネットでみかけた
といった根拠でグレーゾーンの処理をおこなっているケースもあります。
これらの根拠は、前述のような「前の税務調査で何も言われなかった」だったり、強引なこじつけだったり、します。なので、次回の税務調査であっさりと指摘されて、是正される可能性もあるわけです。
なので、そういう情報を鵜呑みにするのは、危なっかしい面があるわけです。
むすび
金額が僅少であれば、仮に指摘されたとしても、影響も軽微です。
けれど、それなりの金額の取引の場合、追加で納付する本税、ペナルティなど考えると、負担は重く影響も大きくなることが想定されます。
税務調査をひとつの契機として、気になる処理などを見直すのもいいかもしれません。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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