「売上のアップ」だけで「お金の問題」が解決されるとは限りません
(Vol. 804/1000)
カンブリア宮殿で
オーダースーツのSADAが
取り上げられていました。
格安のオーダースーツが
好評で業績を伸ばしています。
今の社長は、もともと前社長から
家業を手伝うように説得されて、
一部上場会社を辞めて、
家業を引き継ぎました。
戻るときは知らなかった
そうですが、
じつは家業は火の車でした。
売上は25億円程度ありましたが、
借金は22億円もありました。
ほぼ売上に近い借金がある
ということは、
かなり資金繰り的に苦しい。
ところが、
社長は格安オーダースーツで
この難局を脱しようとしました。
その目論見通り、
社長は企業努力を続けて、
1年間が黒字化を
成し遂げたそうです。
だが、すぐにその噂は
業界に拡がりました。
すると、各所から
「未払いを返せ」と
せっつかれました。
つまり、売上は良くなった
とはいえ、キャッシュ的に
楽になったわけではありません。
日々、日繰り表をこねくり
回している状況は変わりません。
当時、最終的には
経営をあきらめて、
ファンドの株式を売却したのでした。
この件からわかること。
それは、PLの情報だけで
資金繰りの内容までは
わからないということです。
いくらオーダースーツが
売れて儲かったと言えど、
キャッシュが潤沢に残る
とは限らないということ。
とくに、
この会社は多額の借金
がありました。
これは、多額の返済を
おこなうということに
他なりません。
結果、日繰り表を
こねくり回す事態に陥りました。
もちろん、この会社の場合、
放漫経営でお金が尽きた
わけではありません。
それでも、
売上だけ伸ばすことだけでは、
お金の問題が解決
するわけではないことを
把握しなければいけません。
キャッシュフローの問題は
全体の流れを把握して
解決する必要があります。
全体を俯瞰するために、
お金のブロックパズルを
使うのがおススメです。
ぜひ、会社の数値を
ブロックパズルに当てはめて
考えてみてくださいね。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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