朝ドラ「まんぷく」 〇〇と〇〇は経営の両輪
(Vol.448/500)
朝ドラ「まんぷく」が
開始から1ヶ月半ほど経ちました。
いまドラマでは、
終戦後に泉大津で「たちばな塩業」
という会社を立ち上げて奮闘
しているところを描いています。
新設会社のお悩みなんかも
見てとれて面白いですよ。
たちばな塩業の問題点
萬平さん(主人公の夫)は発明家なので、
塩をつくるというアイデアを
かたちにするのは得意です。
ですが、経営者というよりは、
職人タイプなので、
たちばな塩業の立ち上げ時は
経営問題が山積でした。
たとえば、
いきなり人をたくさん雇ってしまう
塩づくりには人手が必要ということで、
部下の神部君に人探しを頼みます。
すると、神部君は泉大津まで
15人も連れてきます。
萬平さんは「4~5人かと思ってた」
と言っていたので、
人員計画みたいなすり合わせは
なかったようです。
売上なしで15人雇用は大変ですね。
資金不足
塩をつくっても売れるまでは
お金が入りません。
手元資金でお金を回すしか
ありませんが、
そもそも手元資金がない。
ふくちゃん(主人公)は、
親友の旦那さんである地主さんに
借金を重ねていました。
返せるアテもないのに。
ピンハネ問題
塩を売るためには専売局まで
輸送が必要ですが、
たちばな塩業には車がありません。
そこへ、むかしからの友人が
納入代行を申し出ます。
ところが、
初回は品質が悪かったと
売上3,000円のうち1,500円を
ピンハネされてしまいます。
二回目は、商品の半数を
闇市に流されて
私腹を肥やされてしまいます。
売上のお金の流れを自分で
把握できていないのは
問題がありますよね。
と、たちばな塩業は、
ドンブリ経営を
絵に描いたような会社で
会社運営に頭を悩まして
いたわけです。
問題点を認識する
とはいえ、
先立つものは金ですから、
お金が足りなくなると、
ふくちゃんは「最後の借金」と
地主さんにお願いしに行きます。
ところが、
地主の旦那さんから、
これが最後の借金だとは思えない。同じことをまた繰り返すはずだ。
と言われ、これまで
口添えしてくれた親友からも
塩づくりは萬平さん
経理はお母さん
あとは全部ふくちゃんがやらないといけないのよ
と言われて、
たちばな塩業の問題点の
改善に取り組みます。
ここからドラマでは
すったもんだがあるわけですが、
結果、次のような成果を残します。
・ピンハネ問題を解消(粗利の改善)
・社員の給与や待遇の改善(労働分配率の改善、従業員満足度の改善)
・商工会の会頭さんから出資を受ける(資金繰りの改善)
・自社での納入車両の購入(設備投資)
ふくちゃんは、
敏腕な経営コンサルタントですね。
想いとお金は両輪
ピンハネ問題を解決して
商工会の会頭さんから出資を引き出す
シーンはドラマ初期の名場面でした。
そのなかで、ピンハネされた友人が
(図々しくも)出資を申し出ますが、
ふくちゃんはその中から1,500円だけ
受け取ります。
この1,500円は
最初にピンハネされた金額で、
それ以上受け取ると、
その友人と一緒に
闇業者に塩を流したことと
同じになるからです。
これは、むかし萬平さんの
世の中の役に立つような仕事がしたい。
みんなが喜ぶような仕事を。
という仕事に対する想いを
ふくちゃんが忘れずにいて
その想いを尊重したからこそ
の行動でした。
たしかに、闇市に卸した方が
儲かるかもしれませんが
それでは社長の想いには
反してしまいます。
社長の想いがふくちゃんに
伝わっていたからこそ、
それ以外の方法(たとえば、
商工会の会頭さんからの出資)で
たちばな塩業の問題点の解消が
おこなわれました。
「想い」だけ強くても
それだけではやはりダメで、
しっかりと「お金」を回し続けないと
企業は成り立ちません。
想いとお金は両輪で
どちらもうまく両立
させなければ立ちゆかないわけです。
むすび
「まんぷく」は日清食品の
安藤百福さん夫婦がモデルです。
ですから、
ここから食品業への舵きりが
描かれていくわけです。
世の中の役に立つような仕事がしたい。
みんなが喜ぶような仕事を。
という萬平さんの想いを実現する
ヒントとなるようなシーンが
今日あたり描かれていました。
今後、物語がどのように
進展するのか楽しみですね。
いまからでも楽しめると思うので
ご興味があれば、録画で視聴してみては
いかがでしょうか?
↓
NHK まんぷく
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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