「社会保険は加入しなくてもいいんですよね?」 いえ、法人は社会保険の加入が必須です!
(Vol.599/607)
法人設立を考えている方から
相談を受けることがあります。
そういう相談を受けるとき、
「なぜ、法人設立するのか?」
の理由を聞くことにしています。
だいたい法人のメリットを考えて、
法人設立を検討されています。
例えば、節税対策や
消費税の免税などですね。
ところが、法人設立には
そういったメリットがある一方で、
デメリットもあります。
たとえば、赤字であっても
住民税の均等割はかかりますし、
社会保険への加入義務があります。
メリット・デメリットの両面を
しっかり把握したうえで
「法人を設立するか?」を
検討する必要があるわけです。
そういうお話をさせていただくと
「でも、社会保険に入っていない
会社もありますよね?」
と聞かれたりします。
確かに以前は、
法人が社会保険に未加入でも
黙認されている時期がありました。
ですが、
年金未払い問題で
社会保険事務所の管理体制が
問題となりました。
それ以後、
社会保険の未加入事業者は
加入させるべく
きびしくなりました。
いまは、法人設立後に
社会保険の加入手続きがないと
社会保険事務所から連絡が入ります。
場合によっては、
調査を受けて、未加入期間は
遡及されて保険料が
請求されることもあるようです。
ですから、
法人を設立したら、
すぐに社会保険の手続きを
おこなうべきでしょう。
とはいえ、
社会保険のコストは、
かなり重いのが現状です。
社会保険料は、
赤字であっても
毎月決まった金額を
支払う必要があります。
赤字ならば、
かからない法人税よりも、
社会保険料の方が
負担が重かったりします。
中小企業で資金繰りが
きびしいところは、
「社会保険料が支払えない」
なんてケースも散見されます。
そのため、
法人を清算して
個人事業に戻る(いわゆる個人成り)
なんてケースもままあります。
法人にするのも
お金がかかりますが、
個人に戻すのにも
お金はかかります。
法人成りにあたっては、
メリット・デメリットの両面から
慎重にシミュレーションして
検討しましょう。
法人設立(法人成り)や
個人成りの判断に迷ったなら、
ご相談くださいね。
いろいろとご相談に
乗らせてもらっていますので。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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