「脱税」と「節税」の違いとは?
横浜市青葉区の税理士 斎藤です。
「脱税」と「節税」は一文字違いですが、その意味合いは大きくことなります。
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脱税とは
脱税は、受け取ったお金を故意に隠してなかったことにする、虚偽の帳簿を作成するなど、不法に税金を減らしたり、税金を逃れたりすることをいいます。
脱税の主な例としては次のようなものがあります。
・二重帳簿
→正しい帳簿と利益操作した裏帳簿をつくり、税務申告は裏帳簿も基にしておこなう
・売上除外
→売上の全部を記録せず一部を抜いて、それをプール、または、着服する
・架空経費
→領収証の偽造、ねつ造などにより、なかった経費を計上する
・棚卸資産の調整
→棚卸資産の期末残高を実際より減らし、売上原価を増加させる
脱税は本来の取引と比べて極めて不自然な取引です。ですから脱税をおこなうと、会計上、かならずどこかに歪みが発生します。
そして、その歪みは税務調査官からすれば「サイン」です。また、後ろめたいことがあれば、調査を受ける側は態度に出てしまいます。税務調査時に脱税が発覚するのは必然と言えるでしょう。
節税
節税は、法律に規定された方法により、合法的に税負担を減らしたり、免除されたりすることをいいます。
節税な主な例としては次のようなものがあります。
・少額減価償却資産(30万円未満の固定資産)
・年払家賃等の前払い
・生命保険に加入する(法人の場合)
・経営セーフティ共済に加入する
・従業員の決算賞与を支払う
節税は法律的に認められているため、「必要な」節税策は積極的におこなうべきです。
脱税は論外、節税はほどほどに
脱税は不法行為です。場合によっては、脱税の罪で刑事罰を受けることもあり、前科がついてしまいます。脱税は論外でしょう。
一方、節税は合法的な行為です。とはいえ、節度は必要でしょう。
「税金を払うぐらいなら」と、必要もない車を買う、必要のない保険に追加で加入する、使いもしない高額な機械やソフトを買う、といったお話をお聞きすることがあります。
そういう場合、契約をする前に「本当にこの支出は必要か」を必ず確認しましょう。
中小企業ならば優遇税率が適用されます。将来的な会社経営を考えると、無駄なものを買うよりも税金を払ってでもお金を残した方がよいケースは多いです。節税はほどほどに。
むすび
脱税は発覚するとダメージが甚大です。むしろ、税務調査で指摘される可能性が高いことを考えれば、結果的に損しかないように思えます。
節税もやりすぎると毒になることがあります。「節税するために銀行借入をしたけど、返済が苦しくて、、、」なんて笑えないお話を聞いたりします。
脱税は論外、節税はほどほどに、ですね。