コンコルド効果とは?
(Vol.517/607)
コンコルド効果を
ご存知でしょうか?
むかし、超音速旅客機コンコルド
という飛行機がありました。
通常7時間かかる
ニューヨーク – ロンドンの
フライトが、
コンコルドなら
わずか3.5時間でした。
2倍の速さで人とモノを
輸送するコンコルドに
注目が集まりました。
しかし、
開発の途中で
大問題が発覚しました。
コンコルドの開発は、
採算割れが濃厚と
見通せてしまったのです。
ところが、
それまでの投資が
あまりに巨額すぎたため、
経営陣は、すぐに撤退の決断が
できませんでした。
結果、
さらなる巨額な赤字を
垂れ流すこととなりました。
このように、
投資を続けることが
損失につながるとわかっていても
それまでの投資を惜しみ
投資がやめられない状態を
「コンコルド効果」と言います。
「サンクコスト効果」
「埋没費用効果」も
同じ意味ですね。
さて、コンコルド効果は、
新規の事業などでは
あり得る話ですよね。
いわゆる、
「損切り」ができない。
「損切り」すると
損失が確定するので
わかっていても心理的に
抵抗があるわけですね。
では、どうすれば
いいのでしょうか?
それは、あらかじめ、
撤退ラインを決めることでしょう。
撤退ラインは、
・時間軸
・投下額(損失額)
で決める必要があります。
いつまでにできるのか?
どれぐらいの損失まで
許容できるのか?
事業に着手する前に、
具体的、かつ、シビアに
決める必要があります。
できれば、
社長の一存ではなく、
信頼できる部下やパートナーの
客観的な視点がある方が
望ましいでしょうね。
京セラの稲盛さんの
楽観的に構想し、
悲観的に計画し、
楽観的に実行する
という言葉があります。
着目すべきは、
計画は「悲観的」
というところですね。
撤退ラインを含めて
シビアに計画を立てろ
ということです。
これは、計画まで
「楽観的」にしてしまうこと
に対する戒めの言葉
ではないでしょうか?
サンクコストに引っ張られず
客観的な視点を忘れない
必要があります。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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