「このBS残高はなんですか?」「わかりません」
(Vol.404/500)
ふしぎな残高は目立つもの
なぞのBS残高
以前、再生案件の
お手伝いをしていた
ことがあります。
そのときに
担当する会社の
財務諸表を見る
ことになります。
当然、内容をチェック
するわけですが、
なぞのBS残高が
あったりします。
担当者に聞いても、
昔からあるけれど
よくわからない数字
というのがあったり
するわけです。
どういう経緯で
その残高ができたのか、
古すぎる場合は
お手上げです。
単に間違えたのか、
なんらか意図的に
数字を調整したのか、
いろんなケースが
想定できます。
理由はどうあれ、
簿記はよくできているので
そういう場合は、
BSにその爪痕が
残ることになります。
やめておいた方がいいこと
BSだけではなく
目立つ「変な数値」が
財務諸表にあるのは
望ましくありません。
税務調査官も
金融機関も
気になるポイント
になるでしょうし。
変な数値を残さないために
やるべきでないことには
次のようなものがあります。
売上除外
儲かりすぎたので
売上を減らして
利益が減るという発想でしょう。
仕入れとのバランスが
悪くなったり、
預金の処理がなんらか
不自然になったりします。
架空経費の計上
なんらかの費用を
無理やり計上して、
費用を増やして
利益を減らす
という発想でしょう。
未払費用や未払金などの
BS残高がずっと残る
ことになります。
公私混同の経費
役員のプライベートな支出を
費用処理するパターンです。
税務調査で否認されると、
個人→所得税は給与課税
法人→法人税は役員賞与
(損金不算入)
とダブルパンチをくらいます。
つながりがなくなる
会計数値は、
経営判断にとっても
重要な数字です。
これらの数字は、
同じ基準で帳簿をつけて
各期の比較ができて
意味のある数値となります。
ところが、
前述のようなやるべきではない
処理が行われると、
つながりがなくなってしまい
比較する意味がなくなります。
むすび
健全な経営には
適正な経営数値が不可欠です。
不思議なBS残高が
残らないような会計処理を
していきましょう。
本日も最後まで読んで頂き
ありがとうございます!
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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