3.11東日本大震災 復興を目指す中小企業に発生している問題とは?
(Vol.557/607)
3月11日です。
東日本大震災から8年経ちました。
この時期、テレビでは
震災関連の番組が放送されます。
そんな中、NHKスペシャルで
中小企業の復興とその問題点について
取り上げていました。
被災した企業は、
建物や工場などに
多大な被害を受けました。
それらを修繕したり、
建て直したりしなければ、
営業再開の目処が立ちません。
というわけで、多くの企業は
補助金を受けながら
再建も目指しました。
これらの補助金は、
「総額の2/3は返還不要、
1/3は返済義務あり」
というような感じで
一定期間の猶予を経て
返済をおこなう必要があります。
そして、いま問題となっているのは、
今年から返済猶予期間が終了して、
240回払いなどで返済が
はじまることです。
多くの企業は、
まだ震災前の業績の水準には届かず、
業績は芳しくありません。
返済がはじまる前に倒産する
企業も少なくないそうです。
番組で取り上げられていた旅館も
おかみさんが赤字体質に
頭を抱えていました。
当初、この旅館は
復興のシンボル的な場所で、
宿泊客は多かったそうです。
ボランティアの人や復興工事を
請け負うゼネコンの人など、
復興特需と言えるような状態で、
むしろ活気があったそうです。
その時に「コンサルタント」
と言われる人に
「人の流れがこれだけあるのだから、
施設を充実させるべき」
とアドバイスを受けました。
おかみさんは、
そのアドバイスの通り、
お金をかけて施設を充実させました。
この旅館は補助金を活用しているため、
施設の拡充にも実質的に
借金を背負うことになりました。
「復興特需」が続くと考えての
経営判断でした。
ところが、
昨年ぐらいで復興工事も完了し
「復興特需」が一巡したため、
宿泊客が激減。
結果、いまは慢性的な赤字体質で、
返済に充てられる
キャッシュがないわけです。
と、なかなか大変な状況ですが、
番組の最後でひとまず
返済猶予期間を延長してもらえた
とあり一安心。
ですが、本質的には
赤字体質から脱却
しなければいけません。
有志のアドバイザーを入れ、
真の復興を目指して
スタッフ一丸となったところが
描かれていたので、
今後どのようになっていくのか
気になりますね。
震災で被害を受けた
多くの会社が似たような
状況にあることはショックでしたが、
前向きにひたむきな努力を
されている姿勢に勇気づけられました。
真の復興を成し遂げられるように
願わずにはいられませんね。
本日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。
税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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