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「輸出すると消費税が返ってくるんですか?」「返ってきますが、注意点もあります」

 

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(Vol.427/500)

消費税の増税が決まりました。輸出に関する消費税の取り扱いは、ますます重要ですね。

 

ご留意ください
大まかな制度の理解に主眼をおいて書いています。枝葉の部分を割愛していますので、細かな取り扱いについては、所轄の税務署などにご確認ください。

 

個人でも輸出がおこなえる時代

以前、輸出をおこなっているのは、商社やメーカーなどでした。

最近では、eBay やAmazonなどをつかい、個人でも輸出事業を行うことができます。

輸出をおこなう場合、税金上、とりわけ重要なのは消費税の取り扱いです。消費税の知識は、しっかり押さえておいて損はありません。

 

 

どうして消費税が返ってくるのか?

通常、消費税は次のように計算されます。

・売上 1,000(仮受消費税 80)

・仕入    500(仮払消費税 40)

・消費税納付額  40(= 80 – 40)

 

それぞれ売上、仕入に対して8%の税率で課税されます。

そして、預かった消費税(仮受消費税)と支払った消費税(仮払い消費税)の差額を納付することになります。

 

ところが輸出の場合、消費税の取り扱いがことなります。

・輸出売上 1,000(仮受消費税  0)

・仕入      500(仮払消費税 40)

・消費税還付額 40(= 0 – 40)

 

輸出売上の場合、「輸出免税」という取り扱いで「0%」で課税されます。

だから、輸出免税の売上があると、仮払消費税が返ってくる(「還付」と言います)ケースがあるわけです。

 

 

資金繰り的にも有利

輸出免税売上があり、支払った消費税の還付を受けられるというのは、非常に有利な取り扱いです。

規模が大きくなれば、それに応じて還付額も増えます。ましてや増税されれば、ますます有利になるわけです。

還付額はそのまま使えるキャッシュなので、資金繰り的にも優しいですね。

還付額が多額な場合は、消費税の課税期間を短縮するということもできます。通常、消費税申告は年1回ですが、短縮する場合は年4回か、年12回で選べて還付のタイミングを早めることができます。

[手続名]消費税課税期間特例選択・変更届出手続

ただ、申告回数が増えると手間とコストは当然かかるので、総合的に判断して決めましょう。

 

 

注意点は2点

「輸出免税」は良いことづくめですが、注意点もあります。

 

納税義務者でないと還付されない

まず、大前提として、消費税の納税義務者でないと消費税は還付されません。

注意すべきは、新設法人や開業したての個人事業主など。新設法人などは、何もしないと免税事業者であることが多いです。

こういう方が還付申告をする場合、消費税の課税事業者を選択する届出書を提出する必要があります。

[手続名]消費税課税事業者選択届出手続

 

簡易課税を選択していると還付されない

消費税の計算方法は、原則課税と簡易課税(特例)があります。簡易課税は、売上の金額だけ使って消費税額を計算する簡便的な方法です。簡易課税は、必ず納税となるため、還付を受けることはできません。

もし、簡易課税を受けている者が還付を受けたい場合は、簡易課税の選択不適用の届出書を提出し、原則課税に戻す必要があります。

簡易課税は、一度選択すると2年縛りルールがあるので注意が必要です。

[手続名]消費税簡易課税制度選択不適用届出手続

 

 

むすび

輸出取引が増えると、消費税の取り扱いは非常に重要です。同時に、すこしややこしいので注意も必要となります。

わからないことがあれば、所轄税務署や顧問税理士に確認してみましょう。

顧問税理士がいない場合は、私にご相談くださいね。国際物流会社で輸出入業務にたずさわっていたので貿易関係は得意ですから。

 

 

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

税理士 / キャッシュフローコーチ
齋藤泰行(さいとうやすゆき)
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メール:info@saito-tax.com

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