「給与」なのか「外注費」なのか?税金などの取り扱うが大きく異なります。

 

支払った費用が「給与」なのか「外注費」なのか。税務調査でわりと論点になりやすい項目です。「給与」と「外注費」ではどんな違いがあるのでしょうか?

(注)この記事は、大まかな概要の理解を目的としているため、枝葉の部分は省略しています。網羅的に正確な情報を知りたい場合は、国税庁のタックスアンサーや税務署等でご確認ください。

「給与」と「外注費」では取り扱いが全然違う!

「給与」と「外注費」は、どちらも働いてくれた人に対して支払う費用です。

ところが、この2つの税金や社会保険の取り扱いはまったく異なります。

所得税の源泉徴収義務

「給与」は所得税の源泉徴収が必要ですが、「外注費」は基本的に不要です。

税務調査等で「外注費」が「給与」とされた場合、所得税の源泉徴収もれになるため、追徴税額や延滞税を納めることになります。

消費税

「給与」は消費税がかかりませんが、「外注費」は消費税がかかります。

税務調査等で「外注費」が「給与」とされた場合、支払う消費税が減るため、消費税の納税額が増えます。(原則課税の場合)

【補足】原則課税の場合、簡単に言えば、「受けとった消費税(10)」から「支払った消費税(5)」を差し引いた差額(5)を納税します。ですから「支払った消費税」が減ると納税額が増えることになります。 

社会保険

「給与」の場合、原則として社会保険や労働保険の対象です。「外注費」の場合、社会保険や労働保険の対象にはなりません。

会社の観点から言えば、外注化すると社会保険負担を軽減することができます。

 

そもそも「給与」「外注費」とは?

税務や社会保険の取り扱いがことなりますが、そもそも「給与」「外注費」とはどんな費用なのでしょうか?

給与

給与とは、雇用契約等に基づいて受ける労働の対価として支払われるものです。つまり、雇用主が従業員に支払う労働の報酬ですね。

外注費

外注費とは、請負契約等に基づいて受ける役務の対価として支払われるものです。専門的な技術等を持つ事業者が会社等の求めに応じてサービスを提供する、というイメージですね。

 

「給与」と「外注費」の判断基準

一応、区分されている「給与」と「外注費」ですが、実務上、判断に迷うケースがあります。

税法上はこの2つを明確に規定していないため、通常、「実態」と以下の基準を照らし合わせて判断していくことになります。

その契約した役務の提供を他人が代替できるか?

他人(下請けや孫請け)が代替してもOKならば外注費。

本人しかできなければ給与。

役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるか?

指揮監督を受けなければ外注費。契約の納期を守れば、その過程(時間、場所など)は問われません。

勤務時間や作業場所を指定されたり、監督者の下で働く場合は給与です。

不可抗力で業務が遂行できなかった場合のそれまでのコスト負担はどうなるか?

不可抗力で業務が遂行できなかった場合、請求できなければ外注費。

それまでの報酬が請求できれば給与です。

材料や用具等はどちらが用意するか?

自分で材料や機材等を用意すれば外注費。

会社がこれらをすべて用意すれば給与。

【リンク】上記の判断基準は、消費税基本通達の規定に基づいています。 

 

むすび

「給与」と「外注費」について見てきました。

明確な線引きがないため、判断がむずかしいケースもままあります。

ただ、税務調査でひっくり返されるとダメージが大きいため、判定は慎重におこないましょう。

 

 

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